グリストラップ(グリーストラップ)の掃除方法!厨房清掃の強敵を攻略するには?

厨房は最もきれいであるべき場所であり、最も清掃が大変な場所でもあります。

大人数の食料品を扱うことが多い厨房。体に入るものを扱っているので、衛生面とは切り離せない関係にあります。衛生的でない状況が続くと、そこで作られた料理を口にする方々の信用を失いかねません。定期的に隅々まで清掃し、常に清潔な状態を保っていることが大切です。

一方それにもかかわらず、厨房のいたるところには掃除しにくい場所が存在します。汚れが落ちにくかったり構造が入り組んでいたりして、「今回は良いか」と放置していると、取り返しのつかない事態を招く可能性もゼロではありません。

なかでも構造が複雑な「グリストラップ」は、厨房において掃除しにくい場所の代表格といえるでしょう。 そこでこの記事では、厨房において清掃が大変な場所を整理したうえで、そのなかでもグリーストラップの役割や構造、自分で清掃する方法について解説していきます。


目次[非表示]

  1. 厨房で清掃が大変な場所は?
    1. シンク
    2. レンジフード
    3. グリストラップ
  2. グリストラップとは
    1. グリストラップの構造
  3. グリストラップを自分で清掃する方法
    1. グリストラップ清掃における注意点
    2. 第1掃の清掃方法
    3. 第2掃の清掃方法
    4. 第3掃の清掃方法
  4. 厨房清掃の時間がとれない場合は業者を活用する

厨房で清掃が大変な場所は?

料理で汚れのたまりやすい厨房を清潔に保つことは、決して簡単ではありません。また、それほど広くないうえに形が入り組んでいることも多く、掃除がしにくい箇所が生まれやすい傾向にあります。

では、厨房において掃除がしにくい場所として、具体的にどういったところが挙げられるのでしょうか。

シンク

シンクは、一般家庭のキッチンにおいても清掃が大変な場所です。汚れた食器や調理器具を洗う場所なので、必然的に汚れがたまりやすいでしょう。不衛生な状態は望ましくないものの、臭いやヌメリ、水アカが発生しやすく、一度発生すると清潔な状態に戻すのは簡単ではありません。

レンジフード

レンジフードとは、コンロの真上にある換気口にフード(カバー)がかぶさったもののことを指します。換気扇とほとんど同じ役割なので混同されがちですが、構造や換気の仕組みが違うので、違うものとして捉えた方が良いでしょう。 レンジフードは、コンロで調理している料理の蒸気や臭いを吸い込み続けています。汚れが付着しやすく、なかでもしつこい油汚れがこびりつきやすいでしょう。掃除しにくい位置にあることも相まって、汚れがたまりやすい場所だといえます。

グリストラップ

グリストラップも、厨房において清掃が大変な場所として挙げることができます。入り組んだ3層構造になっていることや、日々厨房の排水を受け止めていることから、汚れが蓄積しやすい場所といえるでしょう。中身が見えないようになっていることで、清掃をせずに放置してしまうということもあるかもしれません。 ではこの「グリストラップ」とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。

グリストラップとは

「グリストラップ」とは、英語の「Grease(油)」と「Trap(罠)」が組み合わさってできた言葉です。排水に含まれる油や生ごみが直接下水に流れ込むのを防ぐ装置を指し、「油脂分離阻集器」とも呼ばれます。 排水に関わる「下水道法」や建築物に関わる「建築基準法」、水質に関わる「水質汚濁防止法」に加え、各地方の条例に該当すると、設置が義務づけられる場合があります。仮に義務づけられていなくても、リスクを思えば設置しておくのが良いでしょう。

グリストラップの構造

グリストラップは、「3つの槽」で構成されています。それぞれの槽に役目があり、排水が3つの槽を通ることによって水と生ゴミや油が分離され、下水に流れるときには水質が改善されているという仕組みです。

具体的には、バスケットのついた第1槽で生ゴミを取り除くとともに、重たい汚泥を沈殿させて分離、第2槽で水と浮上してきた油分を分離、第3槽でもさらに水と油分を分離し、残った水が下水に流れます。

厨房排水の水質を改善するのに役立つグリストラップですが、清掃せずに放置しておくと、当然ながら装置の能力は低下します。悪臭や排水管の詰まりの原因になりかねないばかりか、害虫の発生を助長してしまう可能性もあり、とても衛生的とはいえません。 グリストラップには、定期的な清掃が不可欠なのです。

グリストラップを自分で清掃する方法

もし時間と体力に余裕がある方であれば、グリストラップを自分で清掃することによって、業者に依頼する費用を抑えることができます。

ここからは、自分で清掃する場合の注意点を確認したうえで、1槽ずつの清掃方法を解説します。

グリストラップ清掃における注意点

グリストラップを自分で清掃するにあたって注意しなければならないのは、清掃のなかで出たゴミの処理方法です。

グリストラップの清掃によって出たゴミのなかで、第1槽のバスケットに入っている生ゴミ以外、つまり第1槽や第2槽に沈殿した汚泥や、第2槽と第3槽に浮いている油分は、「産業廃棄物」として処理しなければいけない決まりになっています。

産業廃棄物を通常のゴミと一緒に処理した場合や、許可を持っていない業者に処理を依頼した場合は法律で罰せられるため、沈殿物や油分の処理は、産業廃棄物を処理できる許可を持った業者に依頼しましょう。 またグリストラップは、どうしても汚れがたまりやすい構造です。バスケット内の生ゴミは毎日、浮上した油の処理は週に1回程度、沈殿物やトラップ管は1ヶ月が清掃頻度の目安といえます。厨房の使用頻度や季節によっても臭いや汚れの状態は変化するので、こまめに確認し、より適切な清掃頻度をみつけてください。

第1槽の清掃方法

第1槽の清掃は、主にバスケットの清掃と沈殿した汚泥の処理に分けられます。

バスケットは内部にたまった生ゴミをきれいに取り除いてください。前もって「ネット」を被せておくと、処理を簡単に済ませることができるでしょう。 底の沈殿物は、「ひしゃく」のように柄が長くて先に器がついている道具を使って、なるべく隅々まですくいあげましょう。扱いやすさを考えると、柄が長く、水を切りつつ汚泥がしっかりすくえるほど目の細かい網が先についているような道具でも良いかもしれません。

第2槽の清掃方法

第2槽の清掃は、浮上した油分と沈殿した汚泥の処理が主になります。

ここでも、第1槽の汚泥処理で使用した道具は大活躍します。油分においても沈殿物においても、柄の長いひしゃくのような道具、目の細かい網が先についている道具を使用して少しずつすくっていきます。 浮上した油分を吸収して処理しやすくするグッズも販売されているので、負担を減らしたい方は検討してみても良いかもしれません。

第3槽の清掃方法

第3槽の清掃は、排水の仕上げとトラップ管がメインです。第1槽と第2槽で水中のほとんどの汚物 は処理できているはずなので、最後の仕上げをするつもりで、道具を使用して細かい汚れを確かめましょう。

また第3槽にのみある「トラップ管」という排水管には、油や汚れが付着しやすく、ヌメリも発生しやすいつくりです。排水管が詰まる原因にもなりかねないので、蓋を外してトラップ管の内部までしっかりと清掃しましょう。

厨房清掃の時間がとれない場合は業者を活用する

グリストラップは目立たないながら、厨房の衛生面に直結する場所です。悪臭が発生していたり、排水管が詰まっていたりする状況は、厨房の衛生面において望ましくありません。食に関わる厨房を清潔に保つために、グリストラップは定期的に清掃する必要があるのです。

一方で、グリストラップの清掃には一定の人員と時間が必要です。毎日が忙しい施設や飲食店であれば、そこに割く人員と時間がないという場合もあるでしょう。そういった場合は、業者を活用する方法があります。

株式会社タスクリエイトは、グリストラップの清掃を請け負っています。日頃から幅広い清掃業務を請け負う清掃の専門家ですので、安心してお任せいただけます。ご希望に合わせたプランを提供していますので、まずは一度ご相談ください。みえにくいところに潜む厨房清掃の強敵には、早いうちに手を打ちましょう。